「メモ帳1冊で足りる」と思っていた――しかし短期記憶障害を抱えた私は、情報が埋もれてしまう経験を繰り返した。25年のITキャリアと自分なりの工夫を重ねた結果、たどり着いた答えは “状況に応じてメモを使い分ける” というものだった。
この記事では、
- 自由に書けるメモ(アナログ)
- 決まった形式で整理するメモ(デジタル)
を組み合わせ、「すぐ書く」「すぐ探す」「間違えない」を同時にかなえる方法を紹介する。
なぜ1冊のメモ帳だけでは足りないのか?
よくある失敗 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
ノートがすぐいっぱいになる | 分類ルールがないため | 紙は「捕まえる」専用と割り切る |
書いたのに見返さない | 検索ができず忘れる | デジタルで検索できるよう保存しておく |
古い情報をうっかり使う | 更新履歴がわからない | 日付をつけて管理する |
メモの方法比較
方法 | 書きやすさ | 探しやすさ | 間違えにくさ | 例(ツールなど) |
---|---|---|---|---|
手書き(A4用紙+クリップボード) | とても高い | 低い | 少し低い | 方眼紙ノート/マインドマップ手書き |
キーボード入力(パソコンやスマホ) | 普通 | とても高い | 高い | Evernote/OneNote/テキストファイル/Excel |
音声記録 | 高い | 普通 | 普通 | スマホ録音→後で書き起こし |
ポイント: 手書きは記憶に残りやすいと実験で示されているが、あとで探しにくい。場面に合わせて選ぼう。
基本の二段構え
第1段階:とにかく捕まえる(紙メモ)
- クリップボードを使い、いつでもどこでも書ける
- 余白を気にせず図や線を自由に描く
- マインドマップ方式: 中心にテーマを書き、放射状に関連情報をつなぐ。後で整理しやすい
- 価値があると感じた部分だけ、次の第2段階へうつす
第2段階:分類・保存する(デジタル)
- 紙でとったメモを写真に撮るか、入力して保存
- 保存する場所の区分
- 例: 「現場メモ」「勉強用」「家庭用」など
- 分かりやすい見出しや日付 をつけて、あとで間違えない
- 無料サービスやOfficeソフトでも代用可能
毎日の流れ
- 捕まえる(書く)
- その場でA4用紙に思いついたことを書く(線や絵でも可)
- 見返して選ぶ
- 一日の終わりに紙メモをざっと見て、残すべき行を線でマーク
- 整理して保存
- 写真を撮って保存、あるいは入力して分類
- 作業時間は1時間ほどかかってもかまわない
- 週ごとのまとめ
- 保存したメモを並べて要点をまとめ、書き足す(20分程度)
- 月ごとの振り返り
- 手書きの記録や疲れの具合をグラフにするなどして、変化を確認(必要に応じて)
ヒント: すべてを保存するのではなく、自分にとって大切な部分だけをデジタル化すると時間を節約できる。
メモ取りの壁と確認のコツ
口頭で指示を受けながらメモを取るときは、次のような困りごとが起きやすい:
- 書く速さが追いつかない → 大事な部分を6割程度しか残せない
- 手書きの誤字・抜け → 後で見返したときに混乱する
- 相手に質問しにくい → 威圧的な雰囲気だと言えない
- 当事者ならではの遠慮 → 「配慮してください」と頼みづらい
解決策は、こまめに確認すること。
- 話の節目ごとに要点をまとめて確認
- 会話を録音し、あとで再生して補足
- 事前に「議題」「決定事項」「次回やること」など枠を作り、埋める形で記録
- 仲間同士で互いに確認し合う時間を設ける
大事な視点: 確認するには相手との信頼関係が必要。遠慮しがちな立場だからこそ、小さな場面でも自分から声をかけよう。
まとめ & 今すぐの一歩
- メモは使い分ける
- 書く→見返す→整理する の流れを習慣化
- 大事な部分だけを保存
- こまめに確認してずれを防ぐ
まずは、今日1ページ分を書き、夜にその中から3つを選んでデジタルで保存してみましょう。これだけでも「書いたのに忘れる」を大きく減らせます。お試しください!
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